柿が病気?柿の木が折れる、落葉する、実に異変が……正しい対処とは
柿の木は病気になりやすく、手入れをするのも大変です。柿の木を育てている方は、柿がどのような病気になる可能性があるのか、あらかじめ把握しておいたほうがよいでしょう。
放置し続けた柿の木は、害獣や害虫を呼んできてしまうことがあります。また、管理不足により弱ってしまった柿の木は、どう対応したらよいのか悩みどころでしょう。手入れが行き届かないと感じるようでしたら、早めに伐採してしまうのもよいかもしれません。
とはいえ、その選択肢は最後まで残しておきたいところですよね。今回のコラムでは、柿の木が病気になってしまった際の症状や、その対処方法を解説していきます。木が折れたり、葉が落ちたり、そのような状況に直面している方は、ぜひ参考にしてみてください。
柿の病気リスト:葉っぱと果実
柿の木の葉っぱや果実に被害をもたらす病気は、いくつか存在します。中でも代表的な病気が、うどんこ病と落葉病です。ここでは、それぞれの特徴をお伝えいたします。このような症状が柿の木に見られたら、きちんと対処し予防してあげましょう。
・うどんこ病
柿の木についた葉の裏に白いカビ状のものが付着している場合、うどんこ病と呼ばれる病気かもしれません。うどんこ病とは葉の裏がうどん粉のような菌糸で覆われる病気のことを指します。柿の木がうどんこ病にかかると葉の機能が衰えはじめ、落葉してしまいます。
もし、うどんこ病を発症してしまったら、白くなった葉っぱを取り除き、落ち葉を捨てましょう。発症する前であれば、5~9月に薬剤を散布することで、うどんこ病を予防することができます。使用する薬剤は、殺菌剤である有機銅水和剤がオススメといえます。
・落葉病
柿の木の葉に褐色の斑点が出てきたら落葉病かもしれません。柿の木が菌に感染することで、ふちに緑褐色の斑点が出はじめます。症状がひどい場合は、生えている葉がすべて落ちてしまうこともあるのです。場合によっては実った果実が落ちてしまうこともあります。
落葉病を発病した場合は落ち葉を回収して捨てましょう。菌が残ってしまうと、翌年の発生につながることもありますので、残さないようにします。落葉病は秋に発症しやすいので、6~7月に薬剤を散布してください。使用する薬剤は、有機銅水和剤が正解でしょう。
柿の病気リスト:枝のトラブル
柿の枝は虫の影響を受けやすく、放っておくと枯れてしまうこともあります。見つけ次第駆除をしたほうがよいでしょう。よくある被害をいくつかご紹介いたしますので、このような症状を発見したら、迅速に対処しましょう。効果的な予防方法もご紹介します。
・穴が空いている
虫の糞や木クズが出ている場合は、「コウモリガ」もしくは「カミキリムシ」が原因かもしれません。どちらも枝や幹に食入するため、穴が空いてしまいます。穴を発見したら虫を捕まえて駆除、もしくは針金を用いて穴に差し込み、駆除をおこなってください。
・白い綿状のものが付着している
ワラジムシ状のものがいたり、触ると飛び跳ねたりする場合は、「カイガラムシ」もしくは「アオバハゴロモ」が原因かもしれません。カイガラムシが汁を吸うことで植物は育ちにくくなり、枝枯れをおこす場合があります。歯ブラシなどを用いて退治しましょう。
アオバハゴロモは汁を吸う害虫ですが、被害はありません。しかし、果実にある果梗部分に寄生してしまいますと、落果してしまうことがあります。冬の剪定時に、余分な枝を切ってしまい風通しをよくしておきましょう。アオバハゴロモの発生を防ぐことができます。
・枝や幹が枯れる
枝や幹が枯れてしまった場合は、「枝枯病(えだがれびょう)」もしくは「胴枯病(どうかれびょう)」が原因かもしれません。枝枯病は細い枝にできた傷や剪定の跡により、斑点が出てきます。その症状が枝全体にまとわりつくとこで、枝葉が枯れてしまうのです。
柿の木が枝枯病を発病したときは、切り取って捨ててしまいましょう。剪定の際に、密集している枝を切り、風通しをよくすることで、発病を予防することができるでしょう。
胴枯病は樹幹や枝、地表にでている根に被害が出ます。傷口部分が赤色や黒褐色になり、表面がざらつきます。そこから亀裂が生じ、枯死してしまうのです。胴枯病は太い枝を切ることで予防できます。処理後は癒合殺菌剤などを塗って、病原菌の侵入を防ぎましょう。
柿の木は病気が多く折れやすいので手入れが大変
柿の木は成長が早く、伸び続けてしまうと手入れが大変になります。そのまま放置をすると病気になってしまうリスクも高く、果実が落ちたり枝が折れたりしてしまいます。そんな悲しい事態を発生させないためにも、定期的なお手入れは必須といえるでしょう。
・手入れが困難なら外注するか伐採するのが柿のため
柿の木は手入れを怠るとぐんぐん伸びてしまいます。木が伸びればそれだけ枝もたくさん伸びてしまいます。それはすなわち、処理が面倒な落ち葉の増加につながるでしょう。また、柿はたくさん実をつけると、生理落果という現象で余分な果実を落としてしまいます。
余分に実をつけてしまった柿の果実や落ち葉を集めるとなると、一人では大変な作業になってしまう可能性も否めません。また、伸び続ける枝は、隣のお家や公道まで侵入することがあります。枝や落ち葉による被害が発生し、トラブルに発展することもあるでしょう。
面倒なトラブルに発展させないためにも、定期的なお手入れは必須です。しかし、成長するのが早い柿の木は、病気にかかりやすく、薬の散布をおこなわなければいけないこともあります。時間がないと感じている人にとっては、その作業は非常に酷なものでしょう。
もし、自分では手に負えないと感じるようでしたら、業者に依頼をするか、伐採してしまうのもひとつの手です。伐採となると心苦しいですが、放置された柿は徐々に弱ってしまい、害虫の被害にあうこともあります。手入れが困難になったら早めに決断をしましょう。
・柿の木を伐採、伐根することで防げるリスクとは
柿の木を伐採、または伐根すること、柿を食べにくる害獣や害虫を防ぐことができます。アライグマやイタチなどの害獣が侵入すれば、柿を食べ散らかすだけでなく、近所の家に住み着いてしまうこともあります。こちらもまた、ご近所トラブルに発展しかねません。
また、柿の木が落とす果実や葉っぱは、雨樋(あまどい)を詰まらせることがあります。雨樋の中につまったものを除去しないと雨水が溢れだしてしまい、故障の原因にもなってしまいます。柿の木の放置が生むリスクは、さまざまなところから発生するのです。
そのような葉っぱの処分も、柿の木の伐採をすれば防ぐことができるのです。おいしい実がなる柿ですが、手入れが大変なうえ、あらゆる被害が発生するリスクもあります。もし、これらの被害にあいたくないと感じるようでしたら、早めの伐採作業をおこないましょう。
・伐採するのに適した時期
柿の木を伐採するなら、12~2月がオススメです。木は冬の寒い時期になると、地中から水を吸い上げるのをやめます。水分を含まない木は乾燥しており、伐採しやすくなるのです。
また、この時期は葉っぱを落としやすく、見通しがよくなることで、スムーズに作業をおこなうことができます。葉っぱもなく水分も少ない木は、軽くなります。業者に伐採を依頼するときは、重量次第で費用が変わることがありますので、節約も可能でしょう。
もし、どうしても冬の期間以外に剪定をおこないたいのであれば、6月下旬~7月上旬がよいでしょう。ただし、この期間の伐採は例外的です。枝が多く風通しが悪い、もしくは幹に日が当たっていないと感じる場合にのみ、おこなったほうがよいでしょう。
柿の木を切る前に……伐採・伐根アドバイス
柿の木は成長が早いため、伐採をおこなうときは高い木を切ることになります。その際は周囲に迷惑をかけないよう、慎重に作業をおこなう必要があるでしょう。ここでは、伐採をするときの注意点をお伝えいたします。下記のことに注意して作業をおこないましょう。
- ご近所トラブルにならないように配慮する
- 道路に侵入してしまっている場合は、通行人や車に注意を払う
- 雨が降ったあとは避けたほうがよい、樹木が重たくなり処分がしにくくなる
- あまりにも高い木は、一人でおこなわない
- 抜根の作業の際は、土俵や排水に影響を与えないか確認しておく
伐採作業にはチェーンソーや重機が必要になるため、知識のない素人にはあまりオススメできません。作業自体が重労働になりますので、業者に依頼をするか、シルバー人材センターなどに依頼をするのが安心でしょう。ケガの心配もなく、安全といえます。
柿の木の伐採の流れ
伐採とは、簡単にいえば木を切り株の状態にすることをいいます。大きく生長してから伐採をおこなうのは大変な作業なので、できれば大きくなる前におこなってしまいましょう。
作業の流れとしては、まず枝打ちをおこないます。枝打ちとは、余分な枝をあらかじめ切っておくことをいいます。枝打ちをおこなうのは、根元から伐採をしたときに倒れた木の枝が、周囲に引っかからないようにするためです。剪定の下準備ともいえるでしょう。
次に、チェーンソーで少し切り込みを入れて、あらかじめ決めておいた方向へと木を倒していきます。倒す方向は適当に決めるのではなく、木を倒しても被害が出ない方向を選びましょう。倒れ始めてしまった木を、あとから修正するのは非常に困難を極めます。
斜面が低いほうに倒してしまうと、倒れた勢いで危険な状況になることがありますので、細心の注意を払いましょう。高い斜面に倒すときは、手前にずり落ちてくる危険がありますので、木をロープであらかじめ縛っておき、そのあと木を倒すようにするのが安全です。
柿の伐根の流れ
柿の木の伐採が終わったら、伐根をおこないます。伐根は、伐採により残された切り株を撤去する作業のことをいいます。伐根作業は、主に重機でおこなうことが多いです。しかし、切り株のある場所の問題で重機が使えない場合は、自力で掘り起こす必要があります。
自力で伐根する場合は、切り株の周りをどんどん掘りましょう。太い根があればノコギリで切ってしまってください。掘り起こしてすぐは動きませんが深くまで掘り、根を切ることで、最終的には手で抜くことができるようになります。原始的ですが、確実でしょう。
とはいえ、柿の木の切り株は深くまで根を張っているため、ときに凄まじい重労働になってしまうことがあります。重機を使用した伐根を依頼できるのであれば、してしまったほうが無難でしょう。伐根までを含めて伐採ともいえます。ぜひ覚えておいてください。
まとめ
柿の木は病気になりやすく、葉っぱや果実、枝によくトラブルが起こってしまいます。病気を発見したら、原因を突き止めて対策をしましょう。被害にあう前に、あらかじめ予防をしておくこともできます。そのための知識は、本文内でご紹介してきました。
もし、柿の木を伐採するなら大きな決断が必要ですが、柿の木を手入れせずに放置してしまいますと、害獣や害虫の被害にあうリスクも高まり、伸びすぎた枝によって、ご近所トラブルに発展してしまうことがあります。伐採をするなら、早めの決断が必要でしょう。
木の伐採や伐根は、基本的にはチェーンソーや重機が必要になります。重労働な作業になりますので、素人では難しいかもしれません。大きな木を伐採するときは、業者に依頼をすると安心して任せることができます。ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか?
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