伐採届の提出は義務化されている!伐採届から提出までを詳しく解説
「立木が成長しすぎて邪魔になってしまった」「所有している山林をきれいにしたい」といった理由で、木の伐採を検討している方もいるのではないでしょうか。
しかし、この伐採作業、じつは“森林法”という法律で厳しく管理がされており、きちんと行政手続きを踏んでからおこなわないと、法律違反となってしまうことがあるのです。
そこで今回は、森林で伐採をおこなうときの手続きについて、その内容や届出の提出方法などを解説します。保有している山林の伐採を検討しているという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
森林での伐採には「伐採届」が必要なこともある
「自分の土地にある木であれば、自由に伐採しても構わないだろう」と思っている方もいるかもしれません。しかし、じつは森林を伐採するためには管轄の市町村や都道府県などから“許可”を得なければならないことがあるのです。
ここではまず、どういう場合に伐採許可が必要となるのか、許可を得るためにはどのような届出をすればよいのか、などについてご紹介しましょう。
どういう場合に伐採の許可が必要?
個人が勝手に木の伐採をおこなってしまうと、二酸化炭素の吸収や酸素の放出などに必要となる大切な森林が、どんどん減ってしまいますよね。こうしたことを防ぐため、日本では各都道府県ごとに、保護すべき森林区域が定められています。これが、“地域森林計画”と呼ばれるものです。
都道府県が制定した“地域森林計画”の区域内にある森林を伐採する場合、たとえたった1本の伐採であろうと、行政からの許可が必要となります。ただし、以下に該当する場合は伐採許可が必要ありません。
- 地域森林計画の対象区域外の木を伐採するとき
- 例外的に伐採が認められている木を伐採するとき(※)
(※倒れそうな木や枯れた木を伐採する場合、法令に基づく測量や実地調査、施設保守の支障となる木を伐採する場合 など)
上記以外の森林伐採は、基本的にすべて行政からの許可が必要であると考えておきましょう。
「伐採届」とは
伐採の許可を得るためには、木の伐採をおこなう前に“伐採届”を提出する必要があります。具体的な提出物や提出時期、提出先は以下のとおりです。
<提出物>
・伐採および伐採後の造林の届出書(伐採届)
伐採することや、その後に造林(ぞうりん/新たに木を植えること)をおこなうことについて、許可を得るための書面です。
<提出時期>
伐採作業日の90日前~30日前まで
<提出先>
伐採対象の森林を管轄とする市町村長
※伐採面積が広範囲となる場合、地域によっては都道府県知事に提出しなければならないこともあります。
なお伐採届の提出を怠った場合、森林法に基づき罰金が科されるおそれもあります。伐採作業は、伐採届の提出が済んでいるかどうかをしっかり確認してからおこないましょう。
「保安林」の場合は、別の許可が必要!
伐採しようとしている立木が、農林水産大臣や都道府県などから“保安林”として指定されている場合、通常の伐採届では伐採許可を得ることができません。保安林として指定されている森林は、伐採に厳しい制限が設けられているからです。
保安林の伐採をおこないたい場合は、市町村長に提出する通常の伐採届ではなく、都道府県知事宛ての特別な伐採届(保安林内立木伐採許可申請書など)で許可を申請することになります。
通常の伐採届とは手続き方法が異なりますので、伐採をおこなう際は、その木が保安林に指定されているかどうかを事前に確認しておきましょう。
森林で伐採を始める前にしておくこと
ここからは、実際に森林で伐採をおこなう際に必要な手続きの流れをご紹介します。手続きが漏れてしまうと森林法違反になってしまうこともあるため、気をつけましょう。
<1>伐採届が必要かどうかを確認する
まずは伐採を検討している森林が、地域森林計画の対象区域内にある森林であるかどうかを確認してください。地域森林計画の対象森林であったとしても、倒木の危険性があるケースなど、例外的に届出が必要ない場合もあります。判断が難しい場合は、最寄りの市町村窓口に確認しましょう。
<2>必要な書類をそろえる
伐採届が必要であることがわかったら、必要な書面をそろえます。行政のホームページ上などにある伐採届のフォーマットを印刷し、必要事項を記入しましょう。なお市町村によっては、伐採場所がわかるような図面や登記事項証明書のコピーなどの提出が求められることもあります。事前に市町村窓口に連絡し、必要となる書面を確認しておくと安心です。
<3>期日まで伐採届を市町村窓口に提出する
伐採届は、伐採作業日の90日前から提出することができます。伐採作業日の30日前が期日となりますので、遅れることのないよう、余裕を持って提出しましょう。
伐採届を提出して伐採したあとには「状況報告書」も必要
地域森林計画区域内で伐採をおこなった場合、伐採後に“状況報告書”と呼ばれる書類を提出しなければなりません。こちらの書面も伐採届と同様に、提出が漏れると森林法違反となり多額の罰金が科せられるおそれがあるので注意しましょう。状況報告書の具体的な提出物や提出時期、提出先は以下のとおりです。
<提出物>
・伐採および伐採後の造林にかかる森林の状況報告書
伐採方法や伐採にかかった期間、造林の方法などについて報告するための書面です。伐採前後の森林の様子を写した写真の添付が必要となる場合もあります。
<提出時期>
造林作業終了日の30日後まで(造林しない場合は伐採終了日の30日後まで)
<提出先>
伐採対象の森林を管轄とする市町村長
※伐採面積が広範囲となる場合、地域によっては都道府県知事に提出しなければならないこともあります。
伐採届の必要な森林での伐採なら業者に依頼するのがおすすめ!
地域森林計画区域に入っている森林の伐採をおこなう場合は、ここまでご紹介してきたとおり、伐採届や状況報告書の提出など、複雑な行政手続きが必要となります。はじめて伐採をおこなう方の場合、「手続きが漏れたらどうしよう」「書面の記載方法がわからない」と悩んでしまうこともあるでしょう。
そういった場合は、伐採を業者に依頼するのがおすすめです。伐採業者の多くは伐採届に関する知識も豊富ですので、伐採届の書き方や提出すべき書類の集め方などについて、親身に相談に乗ってくれるでしょう。
弊社にご相談いただければ、実績豊富な伐採業者を迅速にご紹介することが可能です。もちろんご紹介料は無料ですので、安心してお問い合わせください。
まとめ
今回は、伐採の際に必要となる“伐採届”や、伐採後に提出する“状況報告書”についてご紹介しました。「自分が所有している森林の伐採にも許可が必要だとは、知らなかった」という方もいるのではないでしょうか?
知らなかったでは済まされないのが法律の怖いところです。万が一にでも森林法違反に抵触してしまうことのないように、ぜひ森林伐採をおこなう際はプロの伐採業者に相談してみてください。
スムーズな伐採作業をおこなってくれるのはもちろんのこと、必要書面などについても、きっと丁寧なアドバイスがもらえるはずです。
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