大径木伐採は費用がぐんと高くなる!その理由を危険性とともに解説
木は種類によって、何十mという大きさに生長するものがあります。家のお庭に大きな木があると、場合によっては管理がしきれなくなったり、邪魔になってしまったりして、伐採を考えることもあるでしょう。
とくに大きな木は「大径木」と呼ばれますが、大径木の伐採を業者に頼むと、小さな木に比べて費用が高くなることが多いです。
このコラムでは、伐採費用が高くなってしまう理由と、大径木を伐採する方法と危険性について解説していきます。お庭の大きな木の処分に困っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
大径木を伐採するときの危険性とは
木の伐採は、道具さえあれば自分でおこなうことも可能です。しかし伐採は危険な作業でもあり、大径木ともなればその危険度はより高くなります。ここでは、大径木を伐採するときにどんな危険があるのかをご紹介していきます。
大径木の定義
労働衛生安全規則では、胸高直径が70cm以上の木を大径木と定義しています。胸高直径とは人の胸くらい(地面から約1.2m)の位置の、幹の太さです。簡単にいえば、太くて大きな木ということですが、労働衛生安全規則では70cmを境に小径木と大径木として区別されているのです。
労働衛生安全規則では、木の伐採をする作業員に安全講習の受講を義務付けていますが、その内容は小径木と大径木とで異なります。このように区別されているのは、大径木の伐採作業が小さな木の伐採よりも危険度が高いからにほかなりません。
ただし、2020年8月1日から講習の内容は統合され、小径木と大径木の法的な区別はなくなります。これは小径木の伐採においても事故が発生することがあるという観点からで、大径木の伐採がより危険であることに変わりはありません。
危険性1:伐採する木が不安定になりやすい
木を伐採するときには、木の倒れる方向をコントロールするために切り口をつくりながら少しずつ切っていきます。大きな木であるほど幹にかかっている荷重は大きいため、伐採の作業中にバランスを崩して木が倒れてしまうことがあります。大径木の伐採は木の重心を精密に計算しながらおこなう必要があるのです。
危険性2:重量があり、倒れるときの危険性が高い
当然ながら、大きな木はそれだけ重たくなります。もしも木が自分に向かって倒れてきた場合、最悪は死亡してしまうような大変な事故につながるのです。建物や車などにぶつかってしまった場合には被害も甚大になるでしょう。また、大きな木は枝も多いため、倒れたときに枝が折れて飛んでくる危険性も高くなります。
危険性3:チェーンソーを使う必要がある
小さな木であれば、手持ちののこぎりなどを使って切り倒すことも可能でしょう。しかし、幹の太い大径木をのこぎりで切るのは困難です。そのため、大径木の伐採は通常チェーンソーを使っておこないます。
チェーンソーは刃が高速で回転して木を切るものですが、もしも誤って刃に体が触れてしまうと大けがにつながります。また、刃が硬いものにぶつかったときに作業者に向かって跳ね返ってくる「キックバック」という現象が起こることもあります。
チェーンソーとは、プロでも死亡する事故が発生する危険な道具なのです。使用の経験が少ない人がチェーンソーで伐採作業をおこなえば、その危険度はいっそう高くなるといえます。
労働安全衛生規則にて特別教育が義務付け
労働安全衛生規則では、事業者に対して、伐採作業をおこなう作業者に「伐木等の業務に係る特別教育」を受講させることを義務付けています。この講習は学科と実技があり、合計16時間にわたっておこなわれるものです。
ただし、2020年8月1日からは「チェーンソーによる伐木等特別教育」に改正され、講習時間は18時間になるとされています。
これは事業者が従業員に業務として伐採をさせる場合の規定ですので、個人が自分で伐採をするのは自由です。ただし、このような法律で安全教育が義務付けられ、16時間も勉強する必要があるくらい、伐採は危険な作業であることは理解しておきましょう。
自分で大径木伐採をおこなうのは困難!プロへ依頼を
大径木の伐採にはさまざまな危険があり、プロであっても事故でケガすることがあります。費用を抑えたいといった事情はあるかもしれませんが、なにより安全が第一です。確かな技術をもったプロに任せるのが無難でしょう。
次の項目では、大径木が実際にどのようにして伐採されるのかについてくわしく解説していきます。
木の切り方の基本は大径木でも同じ!
伐採とはどんなものなのか、あまりイメージがわかないという人もいるかもしれません。具体的な伐採の手順がわかれば、大径木の伐採がどれくらい難しいのか、どんなことに注意する必要があるのかみえてくるでしょう。ここでは伐採の基本的な手順をご紹介します。
木を倒す方向を決める
伐採は木を倒すときがもっとも危険です。安全な場所に木を倒すために、木を倒す方向をあらかじめ決めておきます。建物などがないことはもちろん、ほかの木や電線など、途中に引っかかるものがないかも確認する必要があります。
また、幹が傾いている木の場合はまっすぐに倒れない場合もありますので、木の動きを緻密に計算しなければなりません。
受け口をつくる
木を切るときには、まず受け口という切り口をつくります。受け口をつくっておくことで木の重心が受け口の方向に傾き、木を倒したい方向に誘導できるためです。
受け口の作り方は、まず木を倒す方向に、幹の直径の4分の1~3分の1ほどの切り込みを水平に入れます。次にその切り込みに対して30℃~40℃の角度で、上から切り込んでいきます。ふたつの切れ込みが合わさり、幹の一部を三角形に切り取ることができれば、受け口の作成は完了です。
追い口を入れていく
次に、追い口をつくります。追い口をつくることで木は支えを失い、受け口の方向へ倒れていくのです。まず、受け口の反対側から、受け口の水平なラインの少し上の位置を切り込んでいきましょう。追い口は受け口の端との間隔が幹の直径の10分の1ほどになるところまで切っていきます。
大径木は追い口を両側から入れる必要がある
大径木を伐採する場合、チェーンソーの刃渡りよりも幹の直径が長いことが多いです。そのため、大径木に追い口をつくる際には幹を両側から半分ずつ切っていきます。
このように伐採の基本的な方法は、比較的小さな木でも大径木であってもそれほど変わりはありません。しかし、伐採業者に依頼した場合には、大径木は料金が高く設定されていることが多いです。それはなぜなのか、次の項目で解説していきましょう。
大径木伐採は費用が高くなりがち?その理由
伐採方法の理屈は木が大きくても同じですが、大きな木は状況的に同じ方法で伐採できないことが多いのです。ここからは、業者による大径木の伐採費用が高くなってしまう理由をみていきましょう。
危険度が高い
木が大きいほど、作業時の事故による危険度も高くなります。伐採にあたる作業員にはその危険に対してふさわしい手当が支払われることになるでしょう。それだけ人件費が高くかかるため、料金も高く設定されているのです。伐採業者では木の大きさや状態によって危険指数を定め、それに応じた料金を設定していることが多いです。
木を倒すスペースがない
大径木は背も高いことが多いですので、安全に倒すためにはそれだけ広いスペースが必要になります。一般的な住宅ではそれほどのスペースがないことが多いので、通常の切り倒す方法での伐採ができないことが多いのです。
このような場合には、クレーンなどで木をつるしながら切ったり、上から少しずつ切ったりといった、特殊な方法で伐採をします。このような特殊な方法の伐採は、通常の伐採とは違った料金になるのです。
処分費がかかる
伐採業者は伐採した後の木を引き取って処分してくれることが多いですが、これには伐採の作業費とは別に処分費用が加算されるのが一般的です。大きな木であれば運搬する車両も大きなものが必要になりますので、それだけ費用が高くなる場合があります。
このように、伐採には伐採自体の作業以外の手間や費用も発生します。伐採に付随する作業については、次の項目でくわしく解説していきます。
大径木伐採は後処理も大変
自分で大径木を伐採した場合には、その木の処分も自分でする必要があります。小さな木であれば細かく切り刻んで可燃ゴミとして出すこともできますが、大径木は細かくする作業も大変です。地域のゴミ処理場などにもち込む場合でも、大量の木を運搬するにはトラックなどの大きな車両が必要になります。
また、伐採した後に残る切り株も処理しなければなりません。切り株を残しておくと邪魔になるだけでなく、腐ってシロアリなどが発生することもあります。大きな木は根も地中に広く張り巡らされており、それを掘り返すには途方もない労力が必要です。
大径木の伐採は危険度が高いだけでなく、面倒な作業も多くなります。業者に依頼した場合は費用がかかってしまいますが、そのぶん手間を省き、安全に大径木を伐採することができます。やはり大径木の伐採は業者に依頼したほうが安心で、効率的だといえるでしょう。
まとめ
幹の直径が70cm以上の大径木を伐採するときには、小さな木に比べて事故が起こりやすく、事故の被害も大きくなることが多いです。特殊な方法で伐採する必要がある場合も多いので、業者に依頼したときの費用が高くなりがちです。
ただし、業者は講習を受けた作業員が周囲の安全を確保しながら確実な伐採をおこなってくれます。伐採後の木の処分や切り株の処理もしてもらえますので、大径木の伐採は業者に依頼するのが賢明でしょう。
どんな業者に頼めばいいのかわからないという場合には、弊社にご相談ください。弊社であれば、状況に応じて最適な伐採業者を紹介することが可能です。
また、弊社がご紹介する伐採業者の多くは、無料で見積りを出しています。見積りや作業説明に納得がいかなければ、また別の業者をご紹介させていただくことも可能ですので、料金やサービス内容から「ここにしよう!」と思える業者と巡り合うまで、じっくりと検討することができます。
電話やメールで24時間相談を受け付けていますので、一度気軽にご相談ください。
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