杉を伐採するならいつ?ベストな時期と伐採方法、必要な費用まで紹介

杉を伐採するならいつ?ベストな時期と伐採方法、必要な費用まで紹介

日本の森林の多くを占める杉の木。杉と聞くと、「花粉」「木材」といったキーワードが思い浮かびますよね。現在は蔓延する花粉症の原因ともなっていますが、木材としても人気のある杉は、建築や木材雑貨などの素材として日本人の生活を支えてきました。

杉は成長スピードがとても速く、天に向かって一直線に伸びる高身長の木です。高さは50メートル以上になることもあります。成長が早い分、私有地にある杉がいつのまにか急成長して邪魔になってきた……という状況で困っている方もいるのではないでしょうか。

「伸びすぎた杉を伐採しておきたい」「花粉症が庭の杉の木を処分したい」「杉を切って木材として使いたい」と考えている方へ、杉の木の伐採方法を解説していきます。伐採に適したタイミングや、実際に伐採する方法と手順、そして切った杉の木の処分方法を包括的に説明します。業者での伐採費用についての知識や補償についてもまとめました。

杉伐採に適した時期とタイミング

杉の伐採にもベストタイミングがあります。植物は四季折々で成長の仕方がかわり、1年の中でも伐採に適した時期とそうでない時期があります。

また、ベストタイミングは樹齢や健康状態によってかわります。伐採したいと考えている杉の状態を確認し、一番よい時期に伐採作業に取り掛かりましょう。

◆杉の伐採には何月が最適?
「伐採した杉の木を木材として使いたい」「炭にしたい」と考えている場合、適した時期を選ぶと高品質な素材をゲットできます。

オススメなのは、乾燥している11月から12月ごろです。秋から冬の時期は夏まで急成長していた杉も成長を止め、休暇に入ります。そうすると水分を吸収しなくなり、水分量が少なくて締まりのよい木材になるのです。また、休んでいる時期なので、杉にかかる負担が小さくて済みます。

逆に、春から夏、とくに梅雨の時期は水分量が多いです。水分が多い木材は腐敗しやすいのが難点で、虫が湧いたり木材自体が薄暗い色になったりといったデメリットがあります。最近では高度な技術で水分量が多くても高品質な杉の木材にすることもできますが、技術と知識が必要になるでしょう。

◆樹齢は60年以上のものが適している
木材としての利用が目的な場合、樹齢にも注目したいところです。

樹齢が長い方がたくましく、がっしりとした木になりますよね。樹齢が60年から70年の杉は幹がしっかりとしていて、高さも十分にあります。年齢的には健康な時期で、さまざまな製品や建築素材として扱うことができるでしょう。

◆邪魔な杉、病気の杉はすぐ伐採で正解!
健康状態が悪い杉は、ベストタイミングを待たずにすぐに切り落としてしまったほうがよいです。病気はほかの木に感染するおそれがあるためです。とくにほかの木との距離が近い場合には早めに処理してしまいましょう。

また、道路近くで交通の邪魔になってしまっている杉の木があるかもしれません。木の枝が変に伸びてご近所さんの敷地内に入り込んだり、成長しすぎた杉の木がお隣さんの家に入るはずの日光を遮ってしまえば、迷惑です。こういった場合、問題に気付いたらすぐに伐採してしまってください。

杉の伐採は「正しい手段」を選ぶことが大切

杉の伐採は「正しい手段」を選ぶことが大切

1メートルほどの小さな木なら自分でも簡単に切り倒せますが、自分の身長よりもはるかに大きな木を切り倒すという作業は、予想以上に大がかりなことです。労力と時間がかかることは覚悟しなければなりません。さらに安全に伐採するためには、正しい手段、知識、そして技術が必要です。

無駄な費用をかけたくないという思いから自分で作業する選択肢を選ぶ人もいますが、安全面を考えるとあまりよい選択肢ではないかもしれません。杉やそのほかの伐採について適切な知識と経験を持っている業者に任せたほうが、安全かつ素早く伐採できるからです。

万が一個人で伐採をする場合は、友人や知り合いの手を借りましょう。ボランティアに協力してもらうという手もあります。

そして、誰もケガなく作業を終えるために、必要な前準備をおこない、工程を守って作業を進めてください。高い杉ほど倒れる方向1つで大きな事故に繋がるおそれがあるので、手順については作業する全員できちんと話し合い、共有することが大切です。

知識と責任を持ったうえで自分で伐採すると決めた方ために、次の章にて杉の伐採手順を紹介していきます。

伐採前に確認したいこと

杉の伐採には、あらゆる道具と下準備が必要です。ケガをする危険もありますので、準備の段階からきちんとリスク対策もしておかなければなりません。

必要最低限の道具と伐採前の準備方法をご紹介します。どれも伐採するために欠かせないことですので、忘れずに確認してください。

◆準備しておくもの

  • 作業服(長袖長ズボン)
  • ヘルメット
  • 軍手
  • ロープ
  • はしご
  • ノコギリ
  • チェーンソー

◆伐採前の下準備
伐採する前に絶対にやっておきたい4つの下準備があります。どれも安全のために必須な作業です。忘れずにおこなってください。

・地形の確認
まずは地形を確認します。杉の木の周りは平たんな地面なのか、斜面になっているのか、建物が近くにないかなどを知ることは、切り倒す方向を決めるのに重要です。

・切り倒す方向の確認
どの方向なら安全に、そして周囲の建物や植木を傷つけることなく倒せるかを考えながら方向を決定します。切り倒す方向を決めたら、必ず作業に参加する人全員で共有します。

・邪魔な雑草と木枝の処理
足場が悪いと作業中に転倒・ケガに繋がります。また作業効率も悪くなるでしょう。雑草や木の枝をおおかた取り除きましょう。切り倒す杉や周囲の木に折れそうな枝があれば、あらかじめ切断しておきます。枝を切るときは、はしごをロープで幹に括り付けて、上って作業します。

・通行人がいないか確認
作業開始直前には、通行人がいないかしっかりと確認してください。とくに道路や家などの建物に近い場所で伐採するときは要注意です。

杉伐採の方法と手順

杉伐採の方法と手順

【ステップ1】受け口と追い口の場所を確認する
杉を思い通りの方向に倒すのに必要なのが、受け口と追い口です。受け口は、まず根元から20センチほどの高さにしるしを入れましょう。追い口は受け口の間反対の方向に入れます。

【ステップ2】受け口を作る
まずは受け口から。地面と平行に幹の3分の1まで切り口を入れます。そして切ってできたラインの先に向かって、横から見て角度30~45度の三角の空白ができるように切ります。

【ステップ3】受け口を作る
追い口は、受け口の底辺よりも少し高い位置に、地面に平行になるように入れます。深さは幹の3分の1の長さまでにします。

【ステップ4】木を押し倒す
チェーンソーやノコギリで追い口が完成したら、追い口に圧力を加えます。そうするとだんだんと木が受け口のほうに倒れていきます。

木を押し倒す前に、必ずチェーンソーの電源を切ってください。思わぬ方向に倒れていかないように慎重に倒し、木が動いたのを確認したら反対方向に避難します。

伐採後に必要な作業とマメ知識

時間も手間もかかった伐採。もう何もやりたくないと思うかもしれませんが、まだやるべき作業が2つ残っています。やらないとさらなる面倒ごとが待ち受けていますので、早めに対処しましょう。ここでは、木材の活用方法についても紹介します。

◆解体作業は一人でおこなうのが安全ルール
切り倒した杉は長いままでは運びづらいので、カットして移動させます。まずは細めの枝を幹から切り離し、1,2メートルほどの長さで揃えましょう。次に、太い幹の部分も何等分かにカットします。

伐採は数人で作業するほうが安全ですが、解体作業については1人でおこなうほうがよいです。というのも、解体中にチェーンソーが気に挟まったり、倒れた木が少しの衝撃で動いてケガの原因になったりする危険性があるからです。

◆株や根を残すとトラブルの元に
木の根元を放置しておくと、シロアリやハチといった昆虫が住み着く恐れがあります。腐らないうちに処分してしまいましょう。梅雨や夏など、雨が多くて湿度が高い時期はとくに急いで移動・処分したほうがよいです。

深くまで伸びている根は、土を根の先端まで掘り起こして抜かなければなりませんので、時間と体力を消費します。もしも抜根できない場合には、根を枯らしておく方法がおすすめです。根っこにまで作用する薬剤を使えば、これ以上成長することも、腐る心配もありません。

◆伐採した杉の活用法
せっかく伐採した木を有効活用するのがエコでおすすめです。ものづくりが好きな方は、せっかくの素材を生かして創作してみてはいかがでしょうか。杉は建築用木材として利用されていますし、タンスやフローリング、雑貨などに加工されているのもよく見かけます。

建築素材としての利用を考えている場合は、乾燥させる工程が重要です。切り倒したままでは水分量が多く、資材としてはクオリティが低いままです。腐敗や傷み、そして反りの原因にもなりますので、水分を抜く作業をきちんとおこないましょう。方法としては、桟に木材を積んで放置する「桟積み」があります。

杉伐採に助成金はある?業者依頼と費用のこと

杉の伐採と抜根の流れを見ると、案外大変なことが分かります。危険も伴うので、伐採も抜根もできれば安心して任せられる業者に依頼すべき作業です。しかし気になるのが費用。できるだけお金はかけたくないのが本音ですよね。

賢くお得に伐採するために、伐採にかかる費用について大まかな知識を身につけておきましょう。場合によっては補償や寄付金を受けられる可能性もあるので要確認です。

◆杉の伐採に関する補償について

・補償
土地を事業に利用する目的で杉がもともと生えている土地を購入した場合、場合には伐採補償が受けられる可能性もあります。また、杉を伐採すると損失が生じたり、公共の場として使われる場所に杉が経っている場合は、補償が下りる可能性があります。

・地域ごとの寄付金
花粉症の根源となっている杉への対策として、杉の伐採へ寄付金を出し推奨している市区町村があります。ご自身の市区町村では寄付金が受けられるか、ぜひチェックしてみてください。

どのような補償・寄付金があるのかを知りたいときは、市区町村の相談窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。もしかすると知らなかった補償が適用されるかもしれません。

◆業者依頼での杉伐採費用、内訳はどんな内容?
業者に依頼する場合、費用は以下の項目の合計額になります。ただし、業者によって費用設定は異なり、作業員の人数を計算に入れるなどの方法もあります。以下の項目は参考程度に頭に入れておき、費用の詳細は業者に直接確認しましょう。

【作業費用】
たとえば「3メートル以下の木1本につき〇〇円」というように、木の高さと本数で一律の料金が定められている業者が多いようです。ホームページや問い合わせで大体の値段を知ることができます。

【特別な重機の費用】
伐採する杉の近くに建物があったり、電線に枝が引っかかっていたりというような“例外”の場合は、クレーンなどの特別な重機が必要になる可能性が高いです。そうなると、重機1つにつき余分に費用が加算されます。

【処分費用】
切り倒した杉が不要であれば、処分までおこなってもらいます。杉はトラックで搬出されますので、杉の本数や大きさ、そして搬出する距離によって処分費用は左右されると考えましょう。

◆信頼性とコスパの良さを兼ね備えた業者を探すコツ
価格設定は業者によってまちまちです。そのため、適切な料金というのは判断するのが難しいです。信頼できてお得な業者を見つけたいときは、必ず業者の比較をしましょう。

おすすめなのが、「比較サイト」と「相見積り」の活用です。比較サイトでは、サイトに登録されている業者がいくらで伐採してくれるのかを簡単に比較できます。相見積りは複数の業者に見積書の提示を依頼することで、費用の内訳やオプション料金が発生するのかなど細かい部分まで見比べることができます。

費用だけに目を向けるのではなく、電話や見積り時に業者のスタッフの対応力などにも注目してみると、信頼度を測りやすいです。

まとめ

邪魔になったり木材として使いたくなった杉の木を伐採する方法と手順をご紹介しました。伐採をするにはいくつかの前準備があり、実際に伐採作業では受け口や追い口などちょっと難しい作業があります。また、杉の木が大きければ大きいほど危険も伴います。

はじめて伐採をしようと思っている方、自分の体力や技術について不安な方は、必要な知識をすべて頭に入れると同時に、本当に自分でやるべきかじっくりと考えてみてください。もしも悩んでいるなら、業者に連絡を入れ見積りや相談だけでもしてみるとよいでしょう。

できるだけお得に済ませたい伐採。しかし安全面を考慮すると業者への依頼がやはりおすすめです。費用が気になる方は、一度補償を受けられないか確認してみましょう。市区町村で寄付金を受けられる可能性もあります。

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