立木伐採は自分でできる?プロの手順を知ろう|依頼するならいくら?
ご自宅の木や所有する森林の木を、伐採することを立木伐採といいます。立木伐採をおこなうには、木を切り倒す方向を定めるためにロープで木をけん引したり、チェーンソーを使って木を切ったりと危険な作業も多いです。
この記事をお読みの方のなかには、ご自宅にある木や所有する森林の木を伐採したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。立木伐採は、たしかに危険をともなう作業ですが、事前の準備や伐採の手順をしっかりと抑えておけば、比較的安全におこなうことも可能です。
そこでこの記事では、立木伐採をおこなう前に準備しておきたいことや、安全に作業をおこなうための立木伐採の手順をご紹介します。この記事を最後までお読みいただくことで、立木伐採に関する全体像がわかり、安全に作業を進める方法が理解できるでしょう。
目次
立木伐採が必要になったら|切る前に準備しよう
立木伐採は、自分の身長よりも大きな木を切り倒すことがあるため、安全におこなうには事前の準備がもっとも大切です。以下では、実際に立木伐採をおこなう前に準備しておきたいことをお伝えします。
【1】作業日を決める
立木伐採をおこなう前に、まず作業日を決めましょう。立木伐採は、チェーンソーで木を切り倒したり、切り倒した木をトラックに積み込んだりする必要があるため、ひとりでおこなうには大変な作業になります。手伝ってくれる人が多ければ作業を安全におこなうことができるため、集まる人たちの予定を調整して、人が多く集まれる日を作業日にするとよいでしょう。
また、チェーンソーやトラックをお持ちでない方は、レンタルサービスにて調達することが可能です。もし、レンタルサービスを利用される場合も、事前に作業日を決めておいて早めに手配をおこなっておくとよいでしょう。
【2】伐採計画を立てる
作業日が決まったら計画を立てておくことで、当日の作業を安全かつスムーズにおこなうことができるでしょう。この段階では、木を切り倒す方向を考えておくとよいです。
立木伐採は基本的に、木の重心がかかっている方向に木を切り倒します。立木伐採の経験が浅い方にとって、重心を見極めることは少しむずかしいかもしれませんが、木を真下から見上げることで、木の傾きや曲がり、枝張りなどから重心を判断します。木の重心がわかったら、木を切り倒す方向に家などがないかなど、事前にシミュレーションをおこない伐採計画を立てておきましょう。
【3】装備を整える
安全に立木伐採をおこなうためには、以下のような装備が必要です。準備するものが多いため、漏れがないか確認しながら装備を整えていきましょう。
【安全に作業するために必要なもの】
・防護メガネ:チェーンソーを使うと、木くずが勢いよく舞います。目に木くずが入らないように保護するためのものです。
・防護服:肌を露出すると、チェーンソーの刃や木のトゲで自分を傷つけてしまうおそれがあります。防護服で肌の露出がないようにしましょう。
・ヘルメット:作業中に、折れた枝が落ちてくることが考えられます。落下物から頭を守るためにヘルメットが役立ちます。
【伐採作業に必要なもの】
- チェーンソー:太い木を切るために必要です。
- 手ノコギリ:細い木を切るときや、チェーンソーを使うと危険な場所で使います。
- 脚立:高いところの枝を切るときにあると便利です。
- ロープ:木をけん引するときに必要になります。
- スリングベルト:ロープで木をけん引するときに使用します。スリングベルトを木の幹に回して、ロープをつなぎます。
- 滑車:木をけん引する方向を変えるときに必要です。
- ローププーラー:この器具を使って、ロープを引っ張ります。
- フェリングレバー:バールのような金属製の道具です。木を切り倒すときに使います。
【4】初めてチェーンソーを使うなら講習の受講がおすすめ
初めてチェーンソーを使う方は、チェーンソーの講習を受講されることをおすすめします。チェーンソーに関する知識や経験が乏しい状態では、危険性について想定できる範囲に限界があるため、思わぬ事故やケガを引き起こしてしまうおそれがあるからです。
チェーンソーの講習は、さまざまな団体が実施していますが、基本的にどこの団体も2日間にわたって、学科講習と実技講習を実施しているようです。理論および実技において、きちんとした教育を受けておくことで、安全に立木伐採をおこなうことができる可能性が大きく高まるでしょう。
しかし、立木伐採をおこなうにあたり、講習の受講は必須ではありません。なかなか都合がつかず講習を受ける時間がないという方もいるでしょう。
そういった方は、この記事を読み進めていただいて参考にするなど、事前の情報収集に時間を割いて、できるだけ知識を身につけたうえで伐採をおこなうようにするとよいのではないでしょうか。
森林所有者が森林を伐採する場合は届出が必須
森林の所有者が立木を伐採するときは、事前に「伐採及び伐採後の造林の届出書」という書類を提出しなければなりません。自分が所有している立木を伐採するのに届出を出さなければいけない理由は、自己判断だけで木を伐採してしまうと土砂崩れなどを起こしてしまうおそれがあるからです。
届出書は、伐採をする森林がある市町村に、伐採をする日の90日~30日前に提出する必要があります。また、伐採が終わったあとにも届出が必要です。「伐採及び伐採後の造林に係る森林の状況報告」という書類を、伐採後30日以内に、森林がある市町村に提出しましょう。
万が一、書類の提出を忘れてしまうと、「森林法」という法律の違反となります。事前書類のほうが100万円以下、事後書類のほうが30万円以下の罰金が課せられる場合がありますので、注意が必要です。また、もし立木伐採を業者に依頼する場合でも、届出書を業者と共同で提出する必要があります。立木伐採をする際は書類の提出忘れのないように気をつけておくとよいでしょう。
事前準備だけでも自分では大変......
立木伐採は、実際に木を切りはじめるまでに、たくさんの準備が必要となり大変です。チェーンソーやトラックの手配だけでなく、安全に伐採をおこなうための保護具の用意や計画をしっかり立てておこなわなければなりません。
また、いくら安全な道具を揃え、計画を練ったとしても、チェーンソーを使うこと自体が初めての場合、経験が乏しいため思いもよらない事故やケガを引き起こしてしまうおそれも十分に考えられるのです。
事前の準備が大変だと感じる方や、チェーンソーで太く大きな木を切り倒すことが不安に思う方もいるのではないでしょうか。そういった方は、業者へ立木伐採の依頼を検討してみるのもおすすめです。
業者に立木伐採を依頼すれば、面倒に感じる事前準備の必要がなく、ケガをする心配もありません。また、ケガや事故など最悪のケースを想定した場合、業者に依頼した方が、経済的にも時間的にも結果的にお得だった、となる場合もあるのです。
弊社でも、立木伐採の業者をご紹介しております。24時間365日無料でご相談を承っておりますので、少しでも不安のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
【プロがおこなう】立木伐採の手順
事前準備が整えば、実際に立木伐採をおこないます。ここでは、プロがおこなう立木伐採の手順をご紹介します。安全に配慮がなされたプロと同じ手順を抑えることで、作業の危険性を減らすことができるでしょう。
【1】木を倒す方向を再度確認する
事前準備で木を倒す方向を決めている場合でも、ここで再度確認します。基本的には、木の重心があるほうに、木を倒すようにすると倒しやすいです。しかし、必ずしも木の重心があるほうに倒せばよいというわけではありません。
木を倒す方向に、凸凹や切り株などの障害物がある場合は、違った方向に木を倒すようにしましょう。木の解体作業をおこなうスペースを考慮しておくのも大切です。
重心とは異なる方向に木を倒す場合は、ロープなどを使って木をけん引して、重心を傾けるようにします。
【2】障害物となりえるものをなくす
木を切り倒す方向が決まったら、木を切り倒す方向とは反対側の障害物を取り除いておきましょう。いくら木を倒す方向が決まったからといっても、計画とおりに木が倒れるとは限らないからです。
もし、想定していた方向とは反対方向に木が倒れてきてしまったら、逃げなければなりません。そのときに、邪魔な木や枝、足を滑らせる草などが生えていると逃げ遅れてしまう場合も考えられます。そのため、万が一のときは素早く逃げることができるように、事前に障害物となりえるものを取り除いておくことが大切です。
【3】邪魔な枝を取り除く
周囲の木の枝と、伐採しようとしている木の枝が絡みあっていることがあります。枝が絡みあったまま立木伐採をしてしまうと、木が倒れる方向が変わってしまうおそれが考えられるため危険です。できる限り想定した方向に木を切り倒すためにも、絡みあった枝は事前に、脚立と手ノコギリなどを使って切り落としてしまいましょう。
【4】受け口と追い口を切る
まず、受け口をつくるために木を切ります。「木を切り倒す方向側」の木の幹に、4分の1くらいの深さになるように、チェーンソーで切り込みを入れます。次に、切り込みを入れた部分の上からもチェーンソーを入れて、30度~45度くらいの角度になるように木を切り抜きましょう。
受け口を切ったあとは、追い口を切ります。受け口とは反対側の木の幹を切っていきます。切れ込みを入れる高さは、受け口の下切りを基準に3分の2くらい上の位置です。チェーンソーの刃が、受け口に届かないように、約10cmは距離を残してゆっくりと慎重に切り込みを入れていきましょう。追い口を一定のところまで入れると木の傾きにより倒れはじめるので、切れ込みを入れる深さに明確な基準がなく、経験と勘が必要な作業ともいえるでしょう。
【5】木が倒れるのを待つ
追い口を切ることで、木の重さで徐々に木が傾きはじめます。完全に木が傾きはじめてからではチェーンソーを止めるのは遅すぎるため、木が傾きはじめる直前にチェーンソーを止めてその場を離れるようにしましょう。
あとは、時間の経過とともに木が勝手に倒れてくれます。しかし、受け口と追い口の切り方次第では、木がうまく倒れない場合も考えられるでしょう。そういうときは、追い口にフェリングレバーというバールのような道具を差し込んで、テコの原理を使って木を持ち上げます。
立木伐採が完了したら、切り倒した木を処理しなければなりません。切り倒した木の処分方法は次の章で詳しくお伝えします。
以上が、プロがおこなう立木伐採の手順です。このとおりに伐採を実施することができれば、比較的安全に伐採を完了させることができるかもしれません。しかし、立木伐採が初めての方にとって、木の重心とは別の方向に木を切り倒したり、切り口や追い口を切ったりすることがむずかいしいと感じた方もいるのではないでしょうか。
立木伐採は、木の重心や木が生えている土壌、周囲の障害物などにも配慮しなければならず、どんな状況にもあてはまるような伐採方法はないのです。経験豊富なプロであれば、これまでの実績から最適な方法で立木伐採をすることができるでしょう。しかし、経験のない方が、状況にあわせた最適な方法で安全に伐採することは、難しい場合もあるのです。
そのため、わからないことがあったり不安を抱えたりしてしまっている場合、自分で立木伐採することは控えて、業者に依頼することも検討したほうがよいかもしれません。プロに依頼すれば、不安を抱えたままの状態で作業する必要がなくなり、ケガをする心配もなくなります。
弊社では、24時間365日、無料でご相談を承っております。立木伐採のことでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
伐採した木の解体方法|処分方法も解説
木を倒すことができても作業は終わりではありません。立木伐採したあと、木を解体して処分する工程でも、やり方を誤るとケガをしてしまう場合があるのです。そこでここでは、伐採した木を安全に解体する方法と、解体した木を処分する方法をお伝えします。
伐採した木は"1人で解体"が基本
伐採した木の解体は、必ず1人でおこなうようにしましょう。倒れた木には、いろいろな方向から力が加わっています。そのため、複数の人数で同時に解体作業をおこなうと、予期せず木が動き出してしまうことがあり、ケガをしてしまうおそれがあるのです。
チェーンソーを使って木を切断したら、以下の4つに分類して仕分けしておくと処分しやすくなります。
- 太い幹
- 太い枝
- 末端の細い枝
- 太い枝と細い枝の中間くらいの太さ枝
仕分けができたら、以下のような処分方法があります。ご自身の状況にあった処分方法で処分するとよいのではないでしょうか。
【方法1】燃えるゴミに出す
伐採した木をゴミ袋に入れることができれば、可燃ごみとして処分することが可能です。上記で仕分けたなかでは、細い枝であれば長さを短くしておけばゴミ袋に入れることができます。そのため、細い枝はまとめて可燃ごみとして処分してしまいましょう。
しかし、自治体ごとに、ごみ出しのルールが異なることには注意しなければなりません。自治体によっては、可燃ごみではなく粗大ごみ扱いになる場合もあるそうです。ルール違反してしまわないためにも、事前にごみ出しのルールを自治体に確認しておくとよいでしょう。
【方法2】クリーンセンターへ持ち込み
クリーンセンターと呼ばれる、自治体が管理・運営をおこなっているごみ処理施設に、伐採した木を持ち込む方法です。伐採した木を持ち込むために、ご自身でトラックなどを手配して、木を運ぶことが必要になります。
しかし、いつでも持ち込むことができるわけではないので注意しましょう。ごみの種類によっては、持ち込み可能日が定められている場合があります。また、ごみの重量によって手数料がかかることもあります。そのため、伐採した木を持ち込む前に、事前にクリーンセンターに持ち込み可能日や手数料を確認しておくと安心でしょう。
【方法3】加工して販売する
伐採した木を加工することができれば、木材として販売して処分することができます。自治体によっては、木材を加工するための道具を貸し出してようなので、確認してみるとよいかもしれません。
最近ではDIYをおこなう人が増えており、木材の需要も高まってきているのです。そのため、木材の買い取りをおこなう業者も存在しています。自分で加工した木材を業者に買い取ってもらうことができれば、処分できるだけでなく収益もあげられるでしょう。
【方法4】業者に回収してもらう
クリーンセンターへの持ち込みや加工して販売するほかに、業者に回収してもらう方法があります。業者に回収してもらう方法であれば、お手を煩わせずに木を処分することができるのです。
木の回収費用は、木の大きさや重さによって異なります。また、業者に立木伐採と回収を合わせて依頼することもできます。業者に依頼する費用については次章でご紹介しますが、正確な料金を知るためには、業者に見積りをとってもらうことが必要です。
木の処分を業者に依頼することを検討されていて、正確な金額が知りたいという方は、弊社までお気軽にご相談ください。24時間365日いつでもお電話にてご相談を承っております。
業者に伐採を依頼するならいくら?
立木伐採や木の解体には危険が多く、自分でやるのは大変だけど、「業者に依頼した場合の費用が気になる…」とお考えの方も多いのではないでしょうか。そこでここでは、伐採費用の料金の決まり方や、立木伐採の費用相場をご紹介します。
伐採費用の料金の決まり方
伐採費用の料金は、内訳ごとの費用を合算することで算出され、その金額が実際に請求される料金になります。費用の内訳としては、人件費、伐採費(作業費)、重機を使う費用(重機を使う場合)、木の処分費用などがあります。また、人件費は作業をおこなう人数ごとに必要です。
伐採費用の費用相場
立木伐採をおこなう木の大きさや重機の種類ごとに、費用相場を以下の表にまとめました。
【木の大きさごとの伐採費用の費用相場】
低木 ( 葉張り 0.5~1m × 高さ 0.5~1.5m ) | 3,000~5,000円前後 |
中木 ( 葉張り 2~3m × 高さ 1.5~3m ) | 10,000~15,000円前後 |
高木 ( 葉張り 3.5~4m × 高さ 3~4m ) | 20,000~30,000円前後 |
※葉張り:木の左右の幅
【使用する重機の種類ごとの費用相場】
〇クレーンを使用する場合
10トン | 80,000~100,000円/1日 |
20トン | 130,000~200,000円/1日 |
〇ユンボを使用する場合
1.5トン | 20,000円/1日 |
7トン | 35,000円/1日 |
10トン | 50,000円/1日 |
【処分費用の費用相場】
処分費用についても伐採費用と同様に、木の大きさによって異なります。処分費用の相場としては、木の伐採費用の半額以下になることが多いようです。
以上が、立木伐採の費用相場になります。料金の決まり方や費用相場を抑えておくことで、少しでも不安を和らげることができるのではないでしょうか。ただし、繰り返しますが、正確な料金を知るためには、業者に見積りを取ってもらうことが確実といえます。また、業者によって料金が異なるため、複数の業者に見積りを出してもらい比較検討することも大切です。
弊社でも、立木伐採のお見積りをお出しすることができます。料金のことはもちろん、何かご不明な点がある場合でも、24時間365日いつでも対応いたしておりますので、お気軽にご相談ください。
伐採関連記事
- 生垣とは?庭にあるメリットや作り方、おすすめの種類をご紹介
- サルフレアは剪定しなくてもいいって本当?木の特徴から考える
- ハナミズキ伐採を自分でできる高さの目安は3m!安全な伐採のポイント
- ジューンベリーの育て方|だれでもできる正しいお手入れ方法をご紹介
- シマトネリコが病気を発症|葉が落ちる理由とは?元気に育てるコツ
- 切り株は除去しないと大きなリスク!自分でできる方法はあるの?
- 電線に木が引っかかっている!そのとき絶対やってはいけないこととは?
- チェーンソーの目立てのコツ|切れ味をよくしたい人への参考書
- 木の切り方と作業時に気を付けること・伐採後の木と根の処分方法
- 木を枯らす方法|時間かかってもいいから簡単・安全に枯らしたい人へ