シラカシは生垣としてもおすすめ!やり方・育て方・剪定方法も解説
強く大きなシラカシは、シンボルツリーとして庭に植えられることが多い樹木です。しかし、植え方に注意すれば、生垣として利用することもできます。
シラカシの生垣は、神社などによく使われていて、和風な家にはピッタリです。また、樹高が高いため、高さのある生垣をつくることができ、広範囲の目隠しにも適しています。
本記事では、そんなシラカシの生垣の育て方のポイントや、剪定方法について解説します。また、生垣として植える際の注意点や病害虫対策についても詳しくご紹介します。適切なお手入れの方法と病害虫対策を知って、シラカシの生垣をきれいに育てましょう。
目次
シラカシの育て方
シラカシの生垣を育てるのであれば、まずはシラカシの特徴とお手入れ方法について覚えておく必要があります。ここでは、どのようなことに注意して育てるべきか、ご紹介しましょう。
シラカシの特徴
シラカシはカシの木の一種で、材木にしたときに木の色が白いことからシラカシと呼ばれています。成長が早く樹高の高いシラカシは、広い場所に植えられていれば、20メートルもの高さに成長することもある樹木です。
暑さや寒さに強い丈夫な木で、風とおしの悪い場所や日陰でも問題なく成長します。剪定など必要なお手入れはありますが、育てる環境をあまり選ばないため、初心者でも育てやすく人気の樹木なのです。
シラカシを植えるときの注意点
シラカシは、地中深くに太くまっすぐに根を伸ばします。そのため、一度根付くと簡単に移植することができません。移植の必要がないよう、植える場所はよく考えて決めましょう。
また、シラカシを植えるタイミングは、梅雨に入る前の5~6月がよいとされています。暑さや寒さに強いシラカシでも、真夏や真冬の気候では根が傷んでしまうおそれがあります。梅雨の時期の雨や初夏の日光でシラカシがよく成長するように、暖かい春のうちに植え付けを終えておきましょう。
お手入れ方法
シラカシは、お手入れ方法が比較的楽なのも特徴的です。水やりは不要で、雨だけで成長します。ただし、長期間雨が降らない日が続くときは、根の周りの土が湿っているのが目視できる程度に水やりをしましょう。
肥料は、2月に油かす、9月に化成肥料を与えるのが一般的であり効果的です。どちらも緩効性のものを使用して、根の周りに埋め込むようにして少量与えるのがよいでしょう。肥料を与えすぎると、積極的に栄養を吸収しなくてもよいと思って根が弱ってしまうので、肥料の量には注意が必要です。
シラカシの剪定方法・必要な道具は?
シラカシの生垣を育てるうえで忘れてはいけないお手入れは、水やりと肥料のほかに剪定があります。ここでは、剪定の必要性と方法について解説します。
剪定が必要な理由
シラカシに限らず、カシの木は成長が早い樹木です。そのため、剪定をおこなわなければどんどん大きく成長し、手のつけられない状態になってしまいます。
大きく成長した木の剪定は、脚立などを使用する高所作業になります。不慣れな人がおこなうと、手元が狂ってケガをしたり、足元が不安定なために脚立から転落したりするおそれがあり危険です。
また、剪定をおろそかにしていると、先端はどんどん枝分かれして、木の内側の枝は混み合って成長します。こうして風とおしの悪くなった木は、害虫の棲みかになるおそれがあるのです。害虫の多くが、湿度の高い環境を好むことが理由になります。
剪定が必要な理由は、害虫に狙われやすくなってしまうだけではありません。生垣として育てている場合は、一部の枝だけが伸びてしまう樹形が崩れ、見栄えが悪くなります。
このようなトラブルや景観の悪化を招かないよう、剪定は定期的におこないましょう。
剪定に必要な道具
シラカシの剪定には、6つの道具を使用します。道具の特徴と用途を解説しますので、使い分けの参考にしてください。
・剪定バサミ
大きさや形の異なる2枚の刃がついた剪定用のハサミです。やや太めの枝を切るときに使用します。グリップ部分にはバネがついており、大きく開いて太い枝が切りやすいようなつくりになっています。
・植木バサミ
同じ大きさや形をした2枚の刃がついたハサミです。細い枝を切るときに使います。刃先がとても細いので、細かい部分の微調整にも使えます。
・剪定用のこぎり
片手で使用できる小型ののこぎりです。剪定バサミでも切れないような太い枝を切るときに使用します。
・刈込バサミ
細長い2枚の刃がついたハサミです。棒状の長い柄がついていて、剪定の際に大まかな樹形をつくるために使います。持ち手と刃先までの距離が長いので、遠くまで剪定ができます。
・脚立
樹高の高い木の剪定をおこなう際、上部の刈込や微調整のために使用します。脚立の上で刃物を使うことになるので、凹凸のない安定した場所に立てて使用しましょう。
・軍手
作業中に手を守るために着用します。混み合って伸びた枝を切るときなど、枝が茂っている樹木内部に手を突っ込んで作業する場合があります。素手では枝がひっかかってケガをするおそれがあるので、軍手は必ず用意しましょう。
剪定の時期と方法
シラカシの剪定に適した時期は5~6月と10~11月の年に2回です。
5~6月の剪定では、太めの枝から細かい枝までさまざまな枝を切って、シラカシの樹形をつくります。生垣の場合は、形を整えるために、上から下までバランスよく新芽が成長するように剪定しなくてはなりません。成長しやすい上部の剪定だけでなく、側面をしっかりと刈り込んで、新芽の成長を促しましょう。
10~11月の剪定では、あまり大きく刈り込む必要はありません。理想の樹形から飛び出すように伸びた枝や、内側の混み合った枝などの細かい部分を切り落としましょう。
生命力があり丈夫な樹木なので、深く刈り込んでも枯れることはほとんどありませんが、冬は成長が衰えます。そのため、12~2月の気温の低い時期には、剪定をおこなわないように注意しましょう。
植え方を守れば生垣にもできる!
シラカシは、植え方の違いで庭木にも生垣にもなる樹木です。ここでは、シラカシを生垣として育てる方法についてご紹介します。
シラカシの生垣は広さが必要
シラカシは樹高の高い大きな樹木なので、生垣を育てる場合でも、ある程度の広さが必要です。シラカシの根はまっすぐ下に向かって成長し、横に広がっていくことはあまりありません。しかし、地上に伸びた枝葉は上にも横にも成長するため、狭い場所ではきれいな形がつくれず、見栄えが悪くなってしまうのです。
生垣として植えるときの注意点
庭木と生垣の大きな違いは、シラカシを植える間隔の違いです。庭木としてシラカシを植えるとき、別の大きな木と並べて植えるようなことはないでしょう。その場合、深く太く成長する根を妨げるものがないため、根の成長にともなって樹高は高くなるのです。
しかし、生垣の場合は何本ものシラカシを並べて植えます。そうして根が成長できる範囲に制限をつけることで、樹高を抑えることができるのです。
生垣の高さは根の間隔で調整することができます。1~2メートル程度が理想であれば50センチメートル、1メートル程度に抑えたい場合は30センチメートルの間隔で植えましょう。
注意するべき病害虫の対策
シラカシの育て方と生垣づくりのポイントがわかったら、残るは病害虫への対策です。シラカシは病害虫に強い樹木ですが、まったく被害にあわないわけではありません。きれいなシラカシの生垣を保つために、病害虫の対策も万全におこないましょう。
病気
シラカシがかかりやすい病気は、おもに2種類あります。それぞれ症状と対処法について解説します。
・うどん粉病
うどん粉病は、白い粉のようなものが葉や茎をおおう病気です。粉におおわれた部分は、栄養を吸われ徐々に黄色く変色し、枯れてしまいます。
うどん粉病の症状がみられたら、症状が出ている葉を取り除いて、殺菌剤を散布しておきましょう。予防法としては、カリ肥料を多めに与えるなど、肥料の種類を変えることで発生しにくくすることができます。
・すす病
すす病は、葉が黒いカビにおおわれる病気です。最初は葉の表面だけが黒くなりますが、症状が悪化すると、葉の全体をおおいます。カビにおおわれた葉は光合成をおこなうことができなくなるので、樹木の成長の妨げとなります。
害虫の排泄物や分泌物に病原菌が寄生することで発生する病気なので、殺虫剤を散布して、原因となる害虫を駆除しましょう。
害虫
シラカシに寄り付く害虫は、おもに2種類です。症状と対処法をご紹介します。
・アブラムシ
葉の裏に寄生し、葉の栄養を吸い取ります。基本的には葉がしおれてしまうだけなのですが、被害にあっている葉が多いと、樹木自体が傷んでしまうこともあります。
アブラムシは殺虫剤を散布すれば、効果的に作用して駆除することができます。姿を見かけたらすぐに殺虫剤を使用しましょう。
・イラガ
イラガとは、毛虫の一種です。体の表面に生えている毛のようなものは毒針になっていて、触れると痛みが生じます。幼虫・成虫ともに葉を食べ荒らします。
薬剤の効果はあまり期待できないので、直接触れないよう注意しながら、イラガのついている葉は傷んでいる部分だけでなく、まるごと切り落としましょう。
シラカシの生垣は、暑さにも寒さにも強く育てやすいですが、こまめな剪定が必要で手間のかかる樹木です。肥料を与えたり剪定をしたり、病害虫の対策まで自力でおこなうのは、大変な労力を必要とします。
そこで、樹木の健康を保つため、きれいな樹形を維持するための要となる剪定作業だけでも、業者に依頼することをおすすめします。樹木に詳しいプロが作業をおこなえば、樹木の状態や見た目のバランスなどを考慮して剪定をおこなうので、剪定後のお手入れもしやすくなるでしょう。
剪定業者を探すのが大変という方は、弊社にご相談ください。あらゆる木々の剪定をおこなってきたプロの業者をご紹介します。予算などのご相談にも応じますので、お気軽にお電話ください。
まとめ
あまり土壌を選ばず育てることのできるシラカシは、植え方の違いで庭木から生垣までさまざまな楽しみ方ができます。
シラカシの生垣は、樹高の高さを活かしてしっかりと目隠しの役割を果たしてくれるので、外の様子を気にすることなく生活することができるのも利点です。
しかし、成長の早いシラカシには、こまめな剪定が欠かせません。枝が伸びすぎたり病害虫に侵されたりすることのないように、しっかりと剪定をおこなって、健康で美しいシラカシの生垣を保ちましょう。
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