オリーブアナアキゾウムシはどんな虫?対処法と予防法を解説します
オリーブアナアキゾウムシは日本にしかいないといわれる昆虫で、オリーブの木を食料にします。かつてはネズミモチなどモクセイ科の植物を食べて生息していましたが、海外からオリーブが渡来するとたちまちそちらを好むようになり、今ではオリーブ農家を悩ます害虫となっています。
このコラムでは、オリーブアナアキゾウムシについて詳しく説明します。オリーブアナアキゾウムシの生態と見つけ方、駆除方法、害虫被害を避けながら無農薬でオリーブを栽培する方法について触れます。
オリーブアナアキゾウムシからオリーブの木を守りたいという方や、無農薬でオリーブを栽培したいけれどオリーブアナアキゾウムシの被害が心配という方は、ぜひご一読ください。
目次
オリーブを脅かす存在。オリーブアナアキゾウムシは何者?
オリーブアナアキゾウムシはユニークな名前を持つ昆虫ですが、名前のとおりオリーブに穴を開ける害虫です。まずは、オリーブアナアキゾウムシの生態と見つけ方、実際の被害についてみてみましょう。
オリーブアナアキゾウムシはオリーブを枯らします
オリーブアナアキゾウムシは、オリーブに穴を開けて枯らしてしまう虫です。本来オリーブは虫害にも強い植物なのですが、このオリーブアナアキゾウムシはオリーブの最大の天敵と言えます。
オリーブアナアキゾウムシはオリーブの木の根元部分に口を使って穴を開け、そこにメスのゾウムシが卵を産みます。メスは同じ場所ではなく、1~2日に1個、別々の場所に産卵します。
オリーブアナアキゾウムシの手にかかると、何百本と生えていたオリーブの木が1年で枯れてしまうような、大きな被害が出ることがあります。そんなオリーブアナアキゾウムシからオリーブの木を守るため、農薬を使ってオリーブを栽培する農家さんも多いです。
オリーブアナアキゾウムシの見つけ方
1本のオリーブのなかでも、オリーブアナアキゾウムシが集まりやすい場所があります。探すときは、主な生息地である次のポイントに注目してみましょう。
- 地面近くの木の根元
- 木の又、支柱の継ぎ目(地面から1メートル以内の範囲)
- 枝のなかで一番地面に近いあたりにある枝(下枝)
オリーブアナアキゾウムシは薄い茶色で、オリーブの樹皮とよく似た色をしています。樹皮の表面がごつごつしている種類のオリーブを育てている場合はとくに見つけづらいので、注意深く観察する必要があります。
オリーブアナアキゾウムシが起こす被害
オリーブアナアキゾウムシは、オリーブの木の樹皮を好んで食べます。何匹も群がって食べるため、ほうっておくと樹皮が丸坊主になってしまうこともあります。樹皮の次に好むのはオリーブの実で、葉っぱはあまり食べません。
オリーブアナアキゾウムシ1匹の寿命は数3~4年で、全部で200個ほどの卵を産むため、駆除を先延ばしにするとどんどん数が増えてしまいます。
冬の間は、樹皮の裏側や、地面の落ち葉のなかなどで冬眠します。オリーブの木の幹を落ち葉や雑草が覆った状態であれば、冬のうちに掃除と除草を済ませておくと、オリーブアナアキゾウムシの被害を抑えることができます。
オリーブアナアキゾウムシの天敵って?
オリーブアナアキゾウムシの天敵には、さまざまな生物が考えられます。小型の虫を捕獲して食べるクモやムカデや、トカゲやヤモリなどの小型の爬虫類です。
しかし、オリーブアナアキゾウムシは表皮が硬いので、天敵に襲われても逃げ延びることもあるようです。天敵の力で自然にオリーブアナアキゾウムシがいなくなれば、手間もかからないため理想なのですが、実現させるのはむずかしそうです。
オリーブアナアキゾウムシは食欲が旺盛なので、発見したらすぐに駆除する必要があります。多くの卵を産卵して数を増やしていくため、いかに短期間で確実に駆除するのかが重要です。
弊社では、オリーブアナアキゾウムシに適切に対応できる業者をご紹介しております。オリーブアナアキゾウムシにオリーブを食べつくされる前に、プロの業者に迅速に対応してもらい、大切なオリーブの木を被害から守りましょう。
オリーブアナアキゾウムシがついたらどう対処すればいいの?
次に、オリーブアナアキゾウムシがオリーブについたらどう対処したらよいのかについてご紹介します。どうやって駆除したらよいのか、ほかに注意したらよい害虫はなんなのかなど、オリーブアナアキゾウムシへの処置について、詳しくみていきましょう。
オリーブアナアキゾウムシの駆除方法
オリーブアナアキゾウムシを駆除するには、おもに4つの方法があります。
- 薬剤(殺虫剤)を使う
- 清耕栽培をする
- オリーブアナアキゾウムシを捕まえて殺す
- 防虫ネットを使う
清耕栽培とは、畑など木が生えている土地の地面を除草剤などによって管理し、雑草などの生えない裸の土地で栽培をする方法です。また、捕まえて殺すという地道な作業でも駆除としてはとても効果があります。
手間なく駆除したい人は、オリーブアナアキゾウムシに効く殺虫剤を使用するか、清耕栽培を取り入れましょう。
ハマキムシなどの存在にも注意
オリーブの木には、オリーブアナアキゾウムシ以外にも害虫がつくことがあります。次の害虫が代表的ですので、覚えておきましょう。
- ハマキムシの幼虫
- スズメガの幼虫
- カミキリムシの幼虫
- コウモリガの幼虫
- コガネムシの幼虫
- カイガラムシ
それぞれの幼虫は、葉っぱや枝・幹、根を食べることによってオリーブの木を弱らせ、悪い場合は木を枯らしてしまうこともあります。カイガラムシは幼虫ではなく成虫が問題で、たくさん枝に群がって木の樹液を吸い、木を栄養不足に陥らせます。
オリーブの木を健康的に育てるには、このように害虫による被害を知り、予防することが大切です。オリーブの適切な育て方、メンテナンス方法を知って、健康的なオリーブ栽培をしましょう。
オリーブの育て方でお困りの方は、ぜひ一度お気軽に弊社までお電話ください。どんな些細なご相談でもお聞きいたします。
食用にもなるオリーブは無農薬で育てたい!それは可能?
食べるためにオリーブを育てているという方のなかには、オリーブを無農薬で育てたいとお考えの方もいらっしゃることでしょう。無農薬でオリーブアナアキゾウムシの対策をする方法についてご説明します。
オリーブを無農薬で育てる方法はある
オリーブを無農薬で育てながらでも、オリーブアナアキゾウムシの対策は可能です。次のことに気をつければ、無農薬でもオリーブアナアキゾウムシを駆除しながらオリーブを栽培することができます。
- オリーブアナアキゾウムシを早期発見し、駆除する
- 適切な水やり、剪定
- 根本周辺の除草
オリーブアナアキゾウムシを駆除するためには、強力な農薬が必要になります。薬剤を使わずにオリーブを育てようとする場合は、オリーブアナアキゾウムシを地道に捕獲する必要があるのです。
捕獲の方法はオリーブアナアキゾウムシが集まりやすい場所を探して捕まえましょう。木の根元や木の又、支柱の継ぎ目や下枝などを探して、発見したら捕獲し、まとめて処分します。
適切な水やりと剪定をおこなうと、木の健康が保たれ、木全体の免疫力が上昇します。それによって、木が病気や虫害に強くなります。また、木の根元周辺の草を刈り取り、地面の土が見える状態にしておくことで、オリーブアナアキゾウムシがいるサインであるおがくずを見つけやすくすることができます。
以上のように、無農薬でオリーブを育てたい場合は、オリーブアナアキゾウムシ対策を日ごろから意識的におこなっておくのが大切です。
無農薬では当然害虫もつきやすい……
無農薬でオリーブを育てることは可能ですが、薬を使わないぶん、どうしても害虫が発生しやすくなります。有機栽培をしていたら、気づいたら害虫の被害に遭っていたという状況も、じゅうぶん考えられます。
手の施しようがないほど虫害を受けていたり、とりかえしがつかないほど大きな被害を受けたりした木がある場合は、思い切って伐採したほうがよい場合もあります。
もう回復の見込みのないオリーブをそのままにしておくと、そこにオリーブアナアキゾウムシが産卵し、かえって害虫の温床となってしまう危険があるためです。
オリーブの伐採をご検討の方は、ぜひ弊社にご相談ください。所有されているオリーブの虫害がどの程度深刻なのかの見極めや、そのうえで伐採したほうがよいのかどうかのご相談まで、弊社はいつでもご依頼を承っております。
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