かかり木の伐採方法!間違った方法・正しい処理について詳しく解説
伐採作業をしていると、“かかり木”が発生することがあります。かかり木は非常に危険な状態なので、正しい方法を知ってから対処しましょう。間違った方法で伐採をしてしまうと、ケガや事故を引き起こす原因になってしまいます。
このコラムでは、かかり木の正しい伐採方法をご紹介します。間違った伐採方法や注意点もお伝えしますので、一度最後まで読んでいただいてから作業にとりかかるようにしましょう。
目次
▼かかり木の間違った伐採方法
かかり木は、いつどんなときに倒れてくるかわからないので非常に危険な状態です。まずは、やってはいけない間違った伐採方法をお伝えします。ケガや事故を防ぐためにも、必ず一度読んでおきましょう。
かかり木とは?
かかり木とは、チェーンソーなどを使って伐採したとき、思いどおりに傾かず周辺の木に寄りかかってしまった状態の木を指します。伐採するときは木を倒す方向を決めて切り込みを入れていきますが、切り込みの位置にズレがあると、かかり木を起こしてしまうことがあるのです。
危険!間違ったかかり木の伐採・処理方法
かかり木は、いつ倒れてきてもおかしくない状態です。突然倒れてきてしまうと、転倒やケガの危険性があり、木の下敷きになるなど命にかかわることもあるので、とにかく慎重におこなわなくてはなりません。大きな事故を招かないためにも、以下のようなことは絶対にやめましょう。
○枝切り
枝切りとは、倒れた木に寄りかかられている枝を切り倒すことです。枝切りをすると木がどの方向に倒れるかは予測がつかないので、非常に危険です。
○玉切り
玉切りとは、かかり木の元口(根元近く)を切ることです。自分がいる方向へと倒れてくる危険があります。また、元口を切らなくても、かかり木自体を伐採しようとすれば同様の事故が起こるおそれがあります。
○投げ倒し
投げ倒しとは、かかり木が起こったときに近くの木をあえて切り倒し、かかり木にぶつけて解消しようとすることです。これでは、かかり木が思わぬ方向に倒れたり、そもそもかかり木を解消できず隣の木もかかり木になってしまったりするおそれがあります。
○木を倒したい方向へ動かす
作業する人がかかり木を肩で支えて向きを変えるなど、直接的に力を加えることもやめましょう。木の重さに耐えきれず、木の下敷きになってしまうおそれがあります。
このように、「どうにかしよう」と無理に力を加えてもかかり木は解決できません。そればかりか、さらなるケガや事故を招くおそれもあります。もちろん、かかり木の放置も絶対にやめましょう。かかり木がおこったら、正しい手順で慎重に処理することが大切です。
▼かかり木を安全に解消する方法
続いては、安全にかかり木を解消する正しい伐採方法をご紹介します。1章の“間違った伐採方法”を知ってもらったうえでここを読めば、なお安心です。ぜひ、かかり木伐採マニュアルとしてご活用ください。
かかり木の処理に必要なもの
作業に入る前に、まずはかかり木の伐採に必要なものを準備しましょう。
○肌を保護できる服(作業着など)
肌が露出していると、木でケガをしたり転倒したりするおそれがあります。また、虫刺されや雑草による肌荒れを起こすこともあるので、できるだけ肌を露出しない服を準備しましょう。
○ロープ(またはベルト)
幹にロープやベルトを巻きつけて、木を確実に地面に倒すために使用します。
○フェリングカバー(または木廻しフック)
安全に木を倒すために、かかり木の切り口にひっかけて使用します。なかには、フックとロープが一緒になったような便利な道具もあります。
○ガイドブロック
ロープがしっかりと確実に引っかかるように設置するブロックです。滑車がついているので、安全に作業ができるようになっています。
かかり木処理前の安全確認
必要なものを準備できたら、かかり木を安全に処理できるよう周辺の安全確認をおこないましょう。
- 作業場所周辺に障害物がないか
- 作業場所周辺は十分な広さがあるか
安全確認をおこなっていないと、かかり木以外に別のトラブルを引き起こしてしまうおそれがあります。木を十分に倒せる広さがあるか、人や建物など障害物がないかどうか丁寧に確認しておきましょう。安全のため、万が一倒れてしまった場合の退避場所を事前に決めておくことも大切です。
かかり木を安全に処理する方法
安全確認までしっかりおこなったら、手順どおりにかかり木を処理していきます。かかり木の幹の太さ(目安:胸の高さの直径)によって少し手順が異なるため、サイズを把握してから作業に入りましょう。
【1】約20センチメートル未満
幹の太さが約20センチメートル未満と比較的小さな木の場合は、ロープをかかり木にかけて倒したい方向に回転させながら倒します。このとき、できるだけ広く安全な方向に倒すようにしましょう。
【2】約20センチメートル以上
比較的太いかかり木を処理するには、技術と力が必要です。ガイドブロックを設置し、ロープが確実に安全に使用できるようにします。周辺を再度確認しロープを数回かかり木に巻きつけたら、回転させながらかかり木を倒しましょう。
このように、かかり木を安全に処理するには知識と技術が必要です。自信がない方や不安な方は伐採のプロに依頼することをおすすめします。プロなら、かかり木を適切に処理する知識と技術があります。必要な道具もそろっているので、事前の準備に手間や時間をかけずにすぐに作業に取りかかることができるので安心です。
▼伐採の基本をおさらいしよう!
ここまでは、かかり木を安全に処理する方法を詳しくお伝えしましたが、しっかりと理解できましたか?安全に適切にかかり木を処理することは大切ですが、それよりも“かかり木を起こさないこと”が最も重要です。ここでは、かかり木を起こさない予防も兼ねて、おさらいとして伐採の基本をお伝えします。基本をしっかりマスターしておきましょう。
自分で伐採できるかの判断
まずは、“自分で伐採できるかどうか”を判断することからです。自分で安全に伐採できるかどうかは以下を目安にしてください。
- 高さ:約3メートル未満
- 太さ:約20センチメートル未満
これ以上の大きさは、万が一思わぬ方向へ木が倒れてきたときに支えられません。自分で安全に伐採できるかどうかをきちんと判断してから作業しましょう。
自分で安全に倒せるかどうかを判断できたら、“木を倒す方向”を決定します。木を倒す方向は、第2章の“かかり木処理前の安全確認”と同様です。周辺の障害物の有無や十分な広さを確保できているかをしっかりと確認しておくことが、確実な伐採のポイントとなります。
伐採に必要な道具
続いて、伐採に必要な道具と伐採の手順をお伝えします。
○伐採に必要な道具とその役割
- チェーンソーやノコギリ:木を切る
- ロープ:木を安全な方向に倒す
- シャベル:木の根っこを掘り出す
- ゴム袋:伐採時に発生する枝葉などを処分する
どれも、ホームセンターや通販で購入可能です。それぞれ大きさや性能の違いにより値段も異なります。サイズや使い勝手に不安があるなら、お店の方に相談しながら決めましょう。
基本的な伐採手順
続いて、基本の伐採手順をご紹介します。安全に作業を終えるためにも、常に周囲の安全に気をつけて、慎重におこないましょう。
- 倒す方向にロープをかけておく
- 倒す方向に“受け口”を入れる
- 受け口の反対側に“追い口”を入れる
- 追い口側から力を加えてゆっくりと倒す
- 残った根を掘り出す
受け口は、幹の直径の約4分の1を目安に切り込みを入れます。木が確実に倒れるように、切り込みの角度は30度~45度くらいが適切です。
追い口は、角度をつけずに受け口に向かって真っすぐ切り込みを入れていきます。このとき、受け口の約3分の2の高さに追い口を入れますが、受け口まで到達しないよう注意しましょう。木を伐採できたら、残った根もきれいに掘り出します。
あと片付け・処分方法
最後に、伐採した木はきちんと処分しましょう。根や枝葉は、基本的に“可燃ごみ”として処分可能です。ゴミ袋にまとめて、各自治体の処分方法に従って処分してください。できるかぎり小さくまとめられるよう、枝や根は細かく切り、葉はしっかり乾燥させて軽くつぶしておくとよいでしょう。
▼伐採をプロに依頼したら時間・費用はどれくらい?
伐採は、事前の準備や安全の確保、あと片付けなど作業前から作業後まで、多くの手順があり素人がおこなうのは大変です。転倒やケガ、場合によっては大きな事故につながるおそれもあるので、できるだけ伐採のプロにまかせることをおすすめします。ここでは、伐採をプロに依頼する場合にかかる費用や作業時間について詳しくお伝えします。
伐採にかかる費用
プロに伐採を依頼する場合、伐採したい木の大きさによって費用に差が出てきます。費用相場は以下のとおりです。
- 高さ3メートル未満:約3,000~5,000円
- 高さ5メートル未満:約15,000円~20,000円
- 高さ5メートル以上:約20,000円~
これらはあくまで相場ですので、幹の直径が太かったり特殊な道具や重機が必要だったりするなど、難易度の高い伐採となる場合には費用が高くなります。
また、なかには“1本あたり”ではなく“職人の時給や日給”によって料金を設定している業者もあります。どのように料金を設定しているかを知るためにも、正式な依頼前に見積りをとっておくことが大切です。
さらに、業者によっては、ゴミ処理や木の回収、抜根作業などについては別途費用がかかることもあります。見積りをとったとき、どこまでの費用が含まれているのかをしっかりと確認するようにしましょう。
伐採にかかる時間
伐採にかかる時間も、作業場所や作業人数、伐採する木の種類などによって違います。たとえば、作業場所が狭く、重機や道具を運び入れることができない場合は、その分難易度も上がり時間がかかってしまうのです。
もし、依頼した業者が“職人の時給や日給”で料金を設定していた場合、時間がかかるほど費用も高くなります。また、伐採作業は屋外ですから、できるかぎり短時間で終える方が天候の変化などを気にすることもなく安心です。この点も踏まえて、事前に所要時間の目安も確認しておきましょう。
伐採作業には危険がいっぱい…プロへの依頼がおすすめ
プロに伐採を依頼すると、費用はかかりますが確実で安心な伐採が可能です。知識や技術もあるので、素人がやるよりも確実に短時間で作業を終えることができるでしょう。
費用の心配がある方は、無料の調査や見積りを活用するのがおすすめです。不安点や疑問点を相談し、実際にかかる費用の詳細を聞いておくと安心できます。予算があるならば、その場で伝えておきましょう。
弊社では、無料で調査・見積りをおこなっておりますので、初期費用の心配はご無用です。お見積書は、丁寧かつわかりやすく作成することを心がけておりますので、どなたさまも安心してご相談ください。危険な伐採作業を安全におこなうためにも、ぜひ弊社にお任せください。
▼まとめ
かかり木の伐採は、知識や技術が必要とされる作業です。いつ倒木するかわからない危険な状態ですので、正しいかかり木の処理方法を学び、手順どおりにおこないましょう。「自分で処理できそうにない……」と思ったら、早急に伐採のプロに依頼してください。
また、かかり木の処理も大切ですが、まずはかかり木をおこさない“予防”が最も大切です。かかり木の処理に限らず伐採に自信がない方は、プロに相談・依頼し安全に作業してもらうことをおすすめします。
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