間伐が森林にもたらすメリット。山林における重要な手入れの1つです

間伐

間伐は聞きなれない言葉かもしれませんが、実は伐採の種類のひとつなんです。適切な間伐をおこなうことで、森林環境はよくなっていくといわれています。

本コラムでは、間伐の役割や伐採が森林にもたらす影響、実際に伐採をおこなうときのリスクなどについてみていきます。間伐を始めとする伐採について知り、実際に作業をするときにお役に立てていただけると幸いです。

間伐とはいったいどういうもの?

ここでは間伐とは何なのかについて、基本的な知識や役割についてご紹介していきます。適度に間伐をおこなうことで豊かな森林がつくられるといわれています。それでは一緒にみていきましょう。

生えている木の密度を調整する役割

生えている木の密度を調整する役割

間伐とは、伐採作業のひとつで、成長途中にある木を間引くことをいいます。木を間引くことで、生えている木と木の間の密度を調整する役割があるのです。

通常、森林などに木を植えるときは、木によって成長速度が異なるため、最初は多めに植えるといわれています。そして成長したら、木の密度を調整するために間伐がおこなわれるのです。

木の生長を促進させ、森林を強くする

間伐をおこなうことによって、木と木の間に空間ができ、木の成長を促進させることができます。木が適度な間隔で育つと、太陽の光が木の根元や地面に届き、盛んに光合成がおこなわれて森林が豊かになるのです。

また、光が差し込むことによって土壌環境もよくなります。このように適切に間伐がおこなわれることで、森林の生態系を保つことができるのです。

「間伐材」として利用されることも

間伐した木は間伐材としてさまざまな用途に使われています。たとえば、木片などは発電燃料として利用されたり、テーブルやベッドなどの家具などに使用されたりするケースがあります。

これまで間伐についてみてきましたが、伐採にはほかにどのような種類があるのでしょうか?次からは、もう少し幅を広げて間伐以外の伐採に焦点を当ててみていきましょう。

間伐以外の伐採にはどんなものがある?

間伐は伐採における作業のひとつでした。また伐採には間伐のほかに皆伐、択伐、除伐、主伐に分けることができます。それではひとつずつみていきましょう。

皆伐

皆伐

皆伐とは、一定区間に位置する森林一面をすべて伐採することをいいます。しかし近年では、森林の生態系にダメージを与えてしまうことが危惧され、小規模で皆伐がおこなわれるところが増えてきました。

択伐

択伐とは、樹木を切り倒すのに適した時期とタイミングを見計らって伐採することをいいます。一斉に多くの樹木を伐採するのではなく、タイミングをずらして伐採するため、森林の生態系や環境にも影響はほとんどありません。

除伐

除伐とは、成長の見込みのある樹木に対して、生育を妨げる樹木を切り払うことをいいます。また、成長速度があまりよくない樹木なども除伐される傾向があります。

主伐

主伐とは、長い年月が経ち大きく成長した樹木を伐採することをいいます。用材や木材など販売するために伐採することが多いため、成長が乏しい未熟な状態の樹木は伐採しません。

このように伐採には、作業工程や目的などによって木を切る呼び方が変わるのです。伐採と聞くとあまりよくないイメージを持つかもしれませんが、実は伐採をおこなうことで森林はより豊かになっていくことも多いのです。次からは、伐採が森林にもたらす好影響をみていきましょう。

定期的な伐採をおこなうことで森林は豊かに!

伐採と聞くと自然破壊や地球温暖化など、あまりよいイメージを持たない方もいるでしょう。しかしきちんと樹木を見極めて伐採をすると、森林は豊かに育ってゆくのです。ここでは、伐採が森林の環境にもたらすよい影響についてご説明していきます。

木には適齢期や寿命がある

木には適齢期や寿命がある

伐採をする木には、適齢期があり樹齢50年を超えると、十分に成熟していると判断され、木材として使用されることが多いです。とくに日本の森林では、人工林の約5割が樹齢50年以上の樹木といわれています。高齢樹になると地面を支える力が弱くなったり、光合成の機能が失われてしまったりするのです。

そのため、森林資源を次世代に残すためには、高齢の樹木は伐採して、そのあとに若い木を植えることが重要でしょう。若い木を植えることで、光合成が盛んにおこなわれ、大気中の二酸化炭素を吸収して、地球温暖化の防止にも貢献することができるはずです。

地面に光が差し込むことで、ほかの植物が育つ

樹木を伐採することで、木と木の間の間隔が増えて地面にまで太陽が届きやすくなります。地面に日光が当たると、土壌環境がよくなり、結果的に植物がすくすくと育ってくれる環境が整うことになります。

森林の環境がよくなると、木々の成長を促すことができ、次世代にわたって持続可能な森林環境となっていくでしょう。

森林の機能性を強化することにつながる伐採を

森林には、水源涵養機能(すいげんかんようきのう)と呼ばれる機能が備わっています。水源涵養機能とは、樹木が雨などの水分をしみ込ませることによって、自らを水源として養っていくことをいいます。この機能が樹木に備わっていることで、大雨が降っても、優れた保水力によって、すぐに下流に水が流れていくことを防いでくれるのです。

しかし、保水力の高い樹木をたくさん伐採してしまっては逆効果なので、適切に間伐をおこなうことが望ましいでしょう。伐採をおこなうときは、むやみに樹木を切り倒すのではなく、きちんと見極めて伐採をすることが重要です。

その森林の「段階」を見極めて伐採方法を選ぼう

ひとくちに樹木といっても、樹齢や立地などで、伐採するべきかどうかが決まってきます。むやみに伐採をおこなってしまっては生態系のバランスが崩れ、自然破壊や地球温暖化などにもつながってしまうでしょう。そのため、森林の状態や段階をきちんと見極めてから伐採をおこなうことが望ましいでしょう。

しかし、伐採にはさまざまな危険がともないます。とくに伐採をしたことがない方は、自分でおこなわずにプロに任せたほうがよいでしょう。次からは、実際の伐採作業における危険についてみていきます。

慣れない伐採作業は危険がいっぱい!業者に依頼して安全に

ここからは、伐採におけるさまざまなリスクを中心にみていきます。実際に自分で伐採をおこなう場合は、くれぐれも慎重におこないましょう。もし不安を感じるのであれば業者に相談してみるのもひとつの手です。

伐採にともなう危険1:道具の不慣れ

伐採にともなう危険1:道具の不慣れ

伐採をおこなう際はチェーンソーを利用します。チェーンソーは初心者の方が使うときは、最悪の場合は命に係わる事態に発展することもあるので、自分で伐採するときには十分意しましょう。

とくにチェーンソーを使う場合は、キックバックという現象に気を付けなければなりません。キックバックとは、木を切っているときに、意図せずにチェーンソーが作業者に向かって跳ね返ってくることをいいます。慣れていない方がチェーンソーを使用するときは、非常に危険をともなうため、経験のある方などに手伝ってもらうとよいかもしれません。

伐採にともなう危険2:不安定・高所での作業

伐採する樹木が大きいと、木を切り倒す前に枝打ちといった作業をおこなう必要があります。枝打ちとは、著しく成長した枝や木を倒したときに引っかかってしまいそうな枝を、切る作業のことです。枝打ちをおこなう場合は、高所での作業となるため、くれぐれも慎重に作業をおこなう必要があるでしょう。

伐採にともなう危険3:木の倒れる方向のコントロール

伐採をおこなうときには、木が倒れる方向をコントロールする必要があります。もしコントロールせずに、むやみにチェーンソーを木に入れると、木がどこに倒れるのか予想がつかなくなり非常に危険です。

木を倒す際には、木に受け口と追い口といった切り込みを入れる必要があります。これらの切り込みを入れることで、人がいないところや住宅や建物がない方向など、木を安全な場所に倒すことができるようになるのです。

業者に依頼して安全に作業をおこなってもらおう

伐採はさまざまな危険がともないます。とくに間伐を考えるような山林の場合は、木を切る本数も多くなるでしょう。もし伐採の経験がなかったり、伐採をするのに不安を感じる方は、ぜひ業者に相談して作業をおこなってもらうと安心です。

弊社は24時間365日いつでも電話対応をおこなっております。全国のさまざまな業者と連携しているので、お客様に合った業者を選ぶことができるでしょう。まずは一度お気軽にお電話をしてみてください。

まとめ

間伐は、伐採のひとつで、成長途中にある木を間引くことです。間伐をすることによって木々の間に空間ができ、樹木にとってよりよい成長環境をつくることができます。また伐採には間伐以外にも皆伐、択伐、除伐、主伐といった種類があります。ひとくちに伐採といっても作業工程や目的などによって、その呼び方が変わってくるのです。

伐採と聞くとあまりよいイメージは持たないかもしれませんが、実は適切な伐採をおこなうことで森林の環境は豊かになっていきます。樹齢や樹木の立地によって、伐採するべきかをきちんと判断することで、次世代にも受け継ぐことができる持続可能な森林を残すことができるでしょう。

しかし伐採にはさまざまな危険がともなってきます。伐採にはチェーンソーを使うので、慣れていない方が作業をおこなうときはくれぐれも慎重におこなわなければなりません。間伐を始めとする伐採作業に不安を感じる方は、ぜひ業者に相談してみることをおすすめします。